第15回日本保育園保健学会

【 更新日:2013/03/27 】

小笠原 孝祐
幼稚園・保育園健診における視力検査の重要性

【目的】
 盛岡市眼科医会では平成15年度より幼稚園・保育園の眼科定期健診の際に視力検査の導入を推進してきた。これは現行の3歳児健診と就学児健診のみでは視力が発達する限られた時期に早期に視機能障害を有する児童を発見することが不十分だからである。今回、演者が園医を務める保育園児185名(3歳児・年少児53名、4歳児・年中児61名、5歳児・年長児73名)を対象に視力検査だけではなく他覚的屈折検査を施行し、その結果について検討を加えた。【方法】
 園児の視力測定については、視能訓練士があらかじめ各保育園に出向き、保育士にランドルト視力検査の方法を教え、その結果を学校健診における記載方法と同様にA:1.0以上・B:0.7以上・C:0.3以上・D:0.3未満の4段階で結果を評価した。健診当日には視能訓練士がNikon社製手持ちオートレフラクトメーター(レチノマックスR)を用いて屈折検査を全園児に行い、ABCD視力と屈折値との関係について検討を行った。尚、検査にあたっては調節麻痺剤の点眼は施行していない。

【結果】
 当院における以前の研究によりレチノマックスRによる屈折検査値は調節麻痺剤使用下の屈折値より1Diopter(D)近視側に測定されることをふまえ、球面度数+0.75D以上、円柱度数±2.00D以上の園児を要精査と判断した。その結果、要精査対象児は3歳児(年少児)53名中4名(7.5%)、4歳児(年中児)61名中7名(11.5%)、5歳児(年長児)77名中9名(11.7%)であり、その内訳は不同視弱視疑い11名、屈折性弱視疑い9名であった。また、C以下の視力の園児のみを抽出した場合には40%(8名)の異常検出精度であり、両眼A以上でも要精査と判断された園児が5名存在した。また、既に遠視性屈折性弱視の診断にて眼鏡を装用している園児は1名のみであった。

【考按】
 弱視の早期発見は、視機能の発達の時期が乳幼児期に限られているという観点から、その園児の将来に関わる重要事項であり、幼稚園・保育園健診に視力検査のみならず屈折検査を導入することはきわめて有意義であることが明らかとなった。また、今後の幼稚園・保育園児の眼科健診に屈折検査を積極的に取り入れることにより、眼位異常のない不同視弱視や屈折性弱視の早期発見に有効であると考えられた。

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